今日はアムステルダムまでレンブラントの聖地巡礼をしに行った話のその①です。
レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)とはオランダ出身の画家で、明暗のはっきりした油絵やエッチングと呼ばれる銅版画などで有名です。
代表作には「夜警」「テュルプ博士の解剖学講義」「放蕩息子の帰還」などがあり、また多くの自画像も残しています。
この自画像はレンブラントのその時々の調子が表情やタッチに大きく影響を及ぼしており、売れに売れまくっていて絶好調な時はめちゃくちゃ調子に乗った表情をしていますし、晩年の借金苦にあえでいるときは非常に重たく沈んだ表情をしています。
そんなレンブラント、私の一番好きな画家なので、もちろんオランダのアムステルダムまで行ってきましたとも!
なので数回に渡って紹介したいと思います。
まず訪れたのはMuseum Het Rembrandthuis-レンブラントハウスです。
その名の通りかつてレンブラントが住んでいた家になります。
借金のため晩年には売り払うことになったこのレンブラントハウスですが、現在はレンブラントにまつわる博物館兼美術館として運営されています。
入場料は15ユーロです(私が行ったときは14ユーロでした)。
アムステルダムは面積当たりの博物館、美術館の数が最も多い土地です。
なのでだいたいの博物館、美術館には無料のロッカーが備え付けてあります。
展示品を守るため、そして自分が疲れないため、大きな荷物はロッカーに預けて身軽になってから入場しましょう。
レンブラントハウスは4階からなる博物館です。
各階ごとに展示の内容は分かれており、階段を登りながら展示を見ていく形になります。
なかでも私が楽しかったのがエッチングという銅版画のデモンストレーションです。
時間になるとエッチング部屋が開けられ、小さなカッパー(図案の掘られた銅板)とプレス機を用いて印刷のデモンストレーションを行ってくれます。
カッパーに掘られた図案はレンブラントによる巻き貝の絵でしたが、カッパー自体は現代ではコンピュータを使ってレプリカをいくつも複製可能であるため触ることができました。
デモンストレーションのお姉さん曰く、レンブラントは版画だと左右反対になるのを忘れていたので巻き貝のうずまきが反対になってしまっているそうです。
こういう豆知識を教えてもらえるのも現地に行って英語で解説を聞く醍醐味の一つです。
他にはレンブラントの借金の原因となった膨大な貝殻や蝶の標本、武器などのコレクションが所狭しと展示してあるフロアや、油絵の具を粉から作るべくずっと擦り擦り練り練りしている寡黙なおじさまのデモンストレーションなどがありどれもとても楽しかったです。
もちろんレンブラント本人の銅版画やカッパーの展示もあり、そちらは非常に厳重にガラスケースの中に展示してありました。
他にはレンブラントのアトリエを再現したコーナーや、レンブラントに影響を受けた現代作家のアートギャラリーなどもありました。
館内の壁には至る所にレンブラントの作品が印刷されているのでまさしくレンブラントファン必見の博物館の1つでしょう。
もちろんショップもありますよ。
そういえばオランダへ入国する際、入国審査で入国理由を聞かれました。
日本のパスポートはビザなしで入国できる国が世界一多い、めちゃくちゃ信頼において強いパスポートなので入国理由を聞かれることってけっこう珍しいことだったりします。
入国理由を聞かれたので無難に「観光です」と返したところ、今度は「なんの?」とさらに詳細まで聞かれました。
ここまで突っ込んで聞いてくるなんてはじめてだなあと思いながら「レンブラントです」と返すと「Museumね、はいどーぞ」とすんなり通してくれました。
その時は「(ローカルなイベントなど入国審査官が知らないようなことを入国の理由として挙げるとめちゃくちゃ訝しまれたりもっと追及されたりするらしいので)さすがレンブラントだ、知名度がすごい…」と思ったのですが、後になって考えるとたぶん入国審査官は別のことを危惧していたんだなあと思い当たりました。
というのも、オランダは大麻が合法なんです。
それ目的でオランダまで旅行する人、珍しくないらしいです。
マジか…って感じですよね。
もちろん私は海外に住んでいた1年そういうのとは程遠い生活を送っていたのですが、オランダなど大麻が合法の国へ旅行すると見るからにやべー草が描いてあるものが普通にお土産屋さんに並んでいるんですよ。
無邪気な子供が「これなにー?」と言わんばかりに手に取ってしまっている様を見たこともあります。
海外に住んだり、旅行するというのはもちろんこういう側面もあるので、正しく回避するためにはその土地がどういうところか予め知っておく必要があります。
オランダ・アムステルダムにはそういう、気安く入ってはいけない場所や写真を撮ってはいけない場所があるので、そういうものを把握しておくために「地球の歩き方」やgoogleの検索などで予めのリサーチは必須です。
次回はこちら。
それでは。
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