今日はポルトガルのタイルが美しい宮殿のはなしです。
他のポルトガルの話はこちら。
AZUL-シントラのステンドグラスというボードゲームをご存知でしょうか。
AZULと呼ばれるタイルを並べて点数を競うボードゲームの続編であり、私が発売当初にドイツ・エッセンのボードゲーム即売会‐エッセン・シュピールまで買いに行った思い出のボードゲームです。
エッセン・シュピールの話はまた後日するとして、今日はこのボードゲームのタイトルにもなっている「シントラ」の話です。
シントラとは
シントラとはポルトガルの首都・リスボンに接する都市の名前です。
シントラにはシントラ宮殿と呼ばれる中世の王宮があり、ポルトガルで最も保存状態の良い王宮とされています。
ポルトガルの名産品として最も有名なものの1つにアズレージョというタイルがあり、シントラ宮殿にはたくさんの古くて美しいタイルやそのタイルで装飾された調度品などが展示されています。
そんなシントラ宮殿に私も観光に行きました!
理由は先にも述べた大好きなボードゲーム「AZUL‐シントラのステンドグラス」の元ネタだからです。
と言ってもポルトガルの名産はタイルでありガラスではないので、シントラ宮殿にはステンドグラスの展示はないのですが…。
どうやらボードゲーム上の設定が「シントラ宮殿のステンドグラスを完成させよう!」なだけで、実際にシントラ宮殿に有名なステンドグラスがあるわけではないようです。
むしろ1作目のAZULの方がタイルで遊ぶゲームだったりします。
ポルトガル・リスボンからシントラまでは電車で40分ほどです。
シントラ宮殿まではさらにいくらか歩いて行くことになります。
街中には観光客向けの人力車みたいなタクシーも多く走っていたので、歩くのが面倒であればこちらを利用しても良いでしょう。
きっとラテン系でアグレッシブな運転手さんと会話が弾むはずです、私は利用しませんでしたが…。
いざシントラ宮殿へ
シントラ宮殿のチケットは入口の券売機で購入できます。
歴史的に貴重な展示が多くあるので、リュックは背中ではなく前側に抱えるよう言われました。
宮殿内部にはこんな感じで古いタイルがいくつもいくつも並んでいます。
このタイルは一枚一枚色付けされ、できあがってからこうやって並べられています。
一見全く同じタイルが並んでいるように見えますが、実は複数の職人が1つの柄のタイルの製作を担うため近寄ってよくよく見ると1枚1枚の個体差が大きいです。
色の濃さ薄さ、線の太さ細さががまちまちで丁寧だったり雑だったりでなかなかおもしろかったです。
四角いタイル以外にもこんな変則的な形をしたタイルがあったり(タンポポでしょうか?)、
タイル以外に手描きのお皿の展示があったり(味のある顔の鳥ですね)、
並べることによって大きな一枚の絵になるタイルなどもあってタイル好きとしては大満足でした。
この全体図が大きな青いタイルは一部分が修復中でビニールシートがかかっていました。
タイルなので破損した部分だけ剥がして修復、もしくは新しいタイルに入れ替えることができるわけです。
ポルトガルのタイル=アズレージョ
これらポルトガルのタイルのことをポルトガル語ではアズレージョと言います。
またタイルの名産地の街の名前はアゼイタンと言います。
冒頭で挙げた私の好きなボードゲームの名前はアズールです。
なんだか全体的に「アズアズ」していますね?
それもそのはず、そもそもアズールというのはスペイン語やフランス語などでは「青」を意味する言葉です。
ポルトガルのタイルであるアズレージョもさまざまな色が用いられているものも多いですが、一般的には青一色のものを指すそうです。
ですので、ポルトガルでアズなんとかっぽい名前を見つけたらポルトガル名産の青いタイルにまつわるなんらかの言葉であると思って良いようです。
この翌日には実際にアゼイタンまでタイル工房の見学へ行ったのですが、その話はまた後日することにします。
それでは。
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