今日はフランスの推し手芸屋のはなしラストです。
前回はこちら。
前回紹介しましたモンマルトルの布問屋街の中に、1軒だけ大きなビルの手芸屋があります。
そのお店の名前はTissus Reineと言います。
訳すと布屋レーヌといったところでしょうか。
このお店はなんと4階建てになっており、布だけではなく数多くの手芸用品も扱っています。
個人的には、新宿にあるオカダヤに似ているなあと思ったお店です。
扱っている布の種類もとても豊富ですし、階ごとに分類わけされた秩序ある陳列は非常に買い物をしやすいと感じました。
布の値段は付近にたくさんある布問屋に比べるとちょっと高めかな、と思います。
それでも十分良心的な値段でした。
中でも型紙(パターン)コーナーが特に充実していました。
私が行った時にはフランスマダムたちがなにやら熱心に棚を見ていたのでなにかしらと近寄ってみると、なにやら熱心に分厚い冊子をめくっていました。
この冊子というのは、パターン一覧が載ったカタログで、Fashion counter catalogというそうです。
外国のパターンは展示用のカタログと一緒に置いてあり、まず分厚いカタログをめくって作りたい洋服を決めてからその番号のパターンを棚から取り出してレジに持っていきます。
フランスマダムたちはカタログを熱心にめくっていたんですね。
このレーヌで私が買ったのはピンク色のチェックの布です。
この布の買い方がちょっと特殊だったので書いておきます。
私は4階で欲しい布をみつけたのですが、レジは各階にないのでその場で決済はできません。
ではどうするかと言うと、まず4階で欲しい布を店員さんに手渡し、必要な長さを伝えます。
すると店員さんからレシートのみを手渡されるのでそれを持って下の階のレジでお金を払ってきます。
再び4階に戻って、支払い済みレシートを提示するとやっとカットされた布を受け取ることができます。
という感じです。
カットされた布にはPAYE(=Paid、支払い済み)のシールが貼られていました。
という要は「レジが下の階にしかないので万引き防止のため前払い」というだけのことなのですが、このちょっと複雑な会計システムをフランス人の店員さんが不慣れな英語で、こちらも同様英語が不慣れな私にジェスチャー交じりでとても熱心に説明してくれました。
フランスで英語がなかなか通じずジェスチャーでやりとりした経験はここだけではないので、やはり「フランス人は母国語のフランス語だけで十分生活できるから英語得意じゃない」という噂は本当のようです。
このジェスチャーで説明してくれた店員さんのことはとても印象に残っていて、それにはもう一つ理由があります。
布をカットしてもらう際、「買える最小の単位は何センチですか?」と聞いたところ「ジューセンチメーター」と返されました。
これを聞いて私、10㎝から買えるのか~なんてのんきに思いながら結局ハーフメーター(50cm、フィフティーセンチって言うよりハーフメーターって言う方が楽ちんなので)買ったのですが、改めて考えると10cmなわけがないんですよ。
だってジュー(じゅう、10、日本語)センチメーターってフランス人が言うはずないので!
結局何㎝が最小単位なのか今もわからないままなのですが、おそらくドゥー(deux)=2を聞き間違えたかなんかだと思います。
少なくとも50㎝はちゃんと買えました!
そんなフランス・モンマルトルにあるオカダヤのような手芸屋の話でした。
これにてフランス・パリの推し手芸屋紹介は終了です。
次回はこちら。
それでは。
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