イギリスのポストマンのはなし

海外生活のはなし
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今日はイギリスの郵便事情の話です。

郵便受けはオートロックの先にしかない

日本でいうマンションのような集合住宅のことを、イギリスではフラット(=flat)と言います。

このフラットには、各住居の鍵とは別に建物自体の入り口である集合玄関にもオートロックの鍵があるのが一般的です。

だいたい日本のマンションと同じような感じですね。

しかし日本のマンションと決定的に違う点がひとつあり、それはいわゆる集合ポストと呼ばれるあのずらっと並んだ各家庭ごとの郵便受けが存在しないorあったとしても建物の中=オートロックを越えた先にしかないという点です。

これは集合玄関の内側にもなにもないという写真

つまりポストマンが郵便を各家庭に届けるためにはなんとかして集合玄関の鍵を開けてから、各家庭のドアポストor有れば集合ポストに投函しなければなりません。

こちらの記事で述べたように、イギリスでは(宛先間違いも含めて)DMやBCCの料金支払いの督促状など毎日それなりの数の郵便物が届きます。

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また、こちらの記事で述べたように大家さんが依頼した工事業者や水質管理局の職員であれば予め大家さんから鍵を預かって来ますが、ただのポストマンではそうもいきません。

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ポストマンが鍵を開ける方法

ではどうやってポストマンが鍵を解錠して郵便物を届けるかと言うと、それは「適当に在宅してそうな部屋のインターホンを押して集合玄関の鍵を開けてもらう」です。

たぶんflat 1(=1号室)から順番に押してるんだと思います。

どこか在宅している住民に中から鍵を開けてもらえたら、その後やっと各部屋宛ての郵便物をドアポストに投函してまわることができます。

不用心極まりないですがこれがイギリスの郵便配達の仕組みです。

どこも在宅してなかったらどうするんでしょうね…?

困ったこと

このイギリスのポストマンのやっかいなところは、先にも述べたように不用心だという点がまず1つ挙げられますがそれ以外にもいくつかあります。

まずは鍵を開けてあげたからといって自分の家宛ての郵便物があるとは限らないという点です。

インターホン応答したし郵便物来るかな?と思ってドア前で待機していても音沙汰ないこともしばしばです。

次にオートロックを開けてあげないとポストマンにめっちゃキレられる点です。

イギリスに引っ越した直後でこのシステムをまだよくわからなかった頃、めっちゃ早口なポストマンに対して主人が「(不用心だし)自分の家宛ての郵便物がないなら開けられない」と応答したら「みんな気にせず開けてるんだから開けてよ!」とキレられたことがあるそうです。

日本だと「他の家に用があるから代わりにオートロック開けて」と言われても普通誰も開けませんよね?

イギリスは全然文化が違うんだなあと思い知った出来事の一つでもあります。

日本のマンションのようにオートロックの外に集合ポストがあればわざわざ鍵を開けてあげるという煩わしさもなくなるのにと思いますが、おそらくそれはそれで不用心(日本ではあまり考えられませんがポストにごみを入れられたりするかもしれない)なのと、住居自体が古い建物ばかりなのでいまさらそういう風に変えられないのでしょうね。

というカルチャーショックの話でした。

それでは。

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